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2021年1月に逝去した昭和史家の半藤一利氏は、家族や知人に「墨子を読みなさい」というメッセージを遺したと言います。昭和史の伝道者として戦争の愚かさ語り続けた半藤氏は、非戦と博愛を説いた墨子の人生と思想に自らの思いを重ねたのかもしれません。
墨子は、紀元前5世紀の思想家です。長く続いた戦乱の時代にあって、侵略戦争を非難する「非攻」の思想、他者を手段として利用して自己利益を図ろうとする精神と行為が争乱の因だと喝破した「兼愛」の思想を主張しました。
墨子は、中国でも長らく忘れられた存在でした。しかし、国際社会が覇権主義や力の政治・外交に傾斜しつつある今こそ、理想主義的な墨子の思想を噛みしめたいと思います。
墨子(本名:墨翟)は、紀元前5世紀半に活躍した思想家です。出自については諸説あり定かではありません。司馬遷『史記』孟子荀卿列伝では「蓋し墨子は宋の大夫なり」(恐らく墨翟は宋の高官であろう)と憶測しており、すでに前漢の時代から謎多き人物とされていたようです。墨子によって創設された墨家は、戦国末期に儒家と並び立つ巨大な勢力を維持した学団でしたが、秦漢の時代に消滅したと言われています。以降言行録である『墨子』も、近代になるまでほとんど読まれることがなかったと言われています。
1942年生まれ。株式会社イメージプラン代表取締役会長、一般社団法人日本家庭教育協会理事長、一般社団法人東洋と西洋の知の融合研究所所長など。「東洋思想(儒・仏・道・禅・神道を有機的に融合させた思想や哲学)」を基盤とする独自の経営思想体系「タオ・マネジメント(東洋思想的経営論)」を構築・実践、数多くの企業経営者と政治家を育て上げてきた。社会人教育に関しては、延べ1万名(2000社)超への提供・支援実績を有する。
これまで掲げてきた理念(東洋と西洋の知の融合)をより高い次元に発展させ、21世紀にふさわしい人となるための新しい指針」をも世界に向けて提唱すべく精力的に活動中。
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10月4日(月)18:30-21:00
墨家思想の根幹に在るのが兼愛である。兼愛こそが絶対的平和主義を成立させる重要な手段としている。そこまで重視する兼愛とは、一体どの様なものなのかを探求する。
10月18日(月)18:30-21:00
儒家思想と二分するほど広く民衆の支持を得たのは、戦国時代に堂々と侵略戦争を否定したことにある。では、それは如何なる非攻論であったのかを知る。
11月1日(月)18:30-21:00
平和主義を貫く為には、その国の政治が理想的に実施されることが要件となる。その為の必須の条件は、能力本位で抜擢された優秀な人材が揃うことである。その考え方、仕組みとはどういうものかを考える。
11月15日(月)18:30-21:00
墨家思想の土台を成すのは「天」の存在である。人間と天、神との関係こそが、とかくありがちな為政者の私利私欲による権力の行使を阻止する、という考え方と仕組みを知る。
11月29日(月)18:30-21:00
墨子は「運命、宿命」を徹底否定した。人間の人間たる所以は、平和主義の確立と維持の為に、持てる能力を発揮し、努力を続けることとした。その真意とは何かを考える。
12月13日(月)18:30-21:00
春秋戦国時代という、今日のわが国の状況と類似している時代に、独り戦争を否定し、平和主義を主張したが、単なる理想主義に終わらなかった。その要点は何なのかを探求する。
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